乳幼児股関節脱臼における超音波検査の分類
   −Graf法の変法について
昭和大学藤が丘リハビリテーション病院
昭和大学藤が丘病院*
扇谷浩文 斉藤進* 山崎謙* 三枝超*


目的:乳幼児の先天性股関節脱臼に対する超音波検査のGraf分類はよく普及しているが、この分類の欠点はその繁雑な点にある。そこで治療上の必要性から我々はGraf分類をより簡便な新分類としたので報告する。
方法:方法は今まで我々が施行してきた検査の結果と関節造影結果を照らし合わせ、またその治療法の選択から必要最低の分類にした。分類はいわゆる正常、臼蓋形成不全に匹敵するもの、いわゆる亜脱臼に相当するもの、脱臼に相当するもの、そして高度脱臼に相当し治療上Rbでは治療が困難と思われるものの5つとした。
結果:今までの我々の造影と治療との対比から、いわゆる正常はTypeT、Ua+、臼蓋形成不全はTypeUa-、Ub、いわゆる亜脱臼はTypeUc、D、脱臼はTypeVa,Vb、そして高度脱臼に相当するのはTypeWとなった。
まとめ:Graf分類を簡略化してよりわかりやすい分類とした。