上腕骨外上顆炎の超音波診断

大分県済生会日田病院整形外科                 

西岡英次 

 

はじめに                                                   

上腕骨外上顆炎は,外来で比較的診察する機会の多い疾患であるが,最近MRIによる画

像診断の報告がある.今回我々は,外来で上腕骨外上顆炎と診断した症例に超音波検査

を行い,その有用性について検討したので報告する. 

 対象及び方法                                          

症例は外来で上腕骨外上顆炎と診断した12症例(男性5例,女性7例),13関節である.年

令は40歳~57歳(平均48 歳)であった.罹病期間は1カ月~3年(平均11 カ月)であった.

正常例5例についても比較検討した.超音波診断装置のプローブは7.5MHの

カプラ付きものを使用した.走査方向は,ECRB(短撓側手根伸筋)上の長軸像,EDC(総指

伸筋)上の長軸像,外顆を通る短軸像である.                 

結果                                       

超音波画像にて腱付着部の低エコー像がみ    られたもののうち,EDC付着部にみられ

たものは8/13関節(61%), ECRB付着部にみられたものは6/13関節(46%)であった.特に

罹病期間が2年以上の2例では,腱付着部の肥厚像及び低エコー像が顕著であった.