超音波からみた生後3ヵ月までの股関節の成長

Growth of hip joints till 3 months age by ultrasonography

亀田第一病院 整形外科            渡辺 研二

 

 

先天股脱を生後1ヵ月以内の早期に治療すると超音波上、比較的早期に正常股関節に近づく。それでは、新生児期から3ヵ月までどの程度、股関節が成長するのかを調査してみた。新生児股関節検診でGraf分類のタイプIまたはIIaの100例を生後1ヵ月、3ヵ月時に超音波検査を行い、骨性臼蓋の成長を計測した。生後1ヵ月で 骨性臼蓋は約1.4倍、生後3ヵ月で約1.8倍に成長していた。この事は非常に早期に軟骨性の臼蓋部分から骨性の臼蓋に成長して行くため、早期にしかも簡単に股関節の変化が起きる可能性あることを示唆すると思われた。