9.あいち小児保健医療総合センター(あいち小児センター)における乳児股関節エコー診断の現状

あいち小児保健医療総合センター 整形外科
服部 義 野上 健

あいち小児センターは平成15年5月に開院した新しい小児病院である。開院から1年間の当センターにおける乳児股関節エコー診断の現状を報告キる。外来診療においては1歳未満の乳児はスクリーニングとしてGraf法で診断する。TypeIであり、神経学的に異常がなければそれ以後経過観察しない。TypeIIaは1ヶ月後に再度エコーを行なう。スクリーニングにてIIb、IIc,D、III、IVであればダブルチェックのためにX線撮影(生後2ヵ月以上)も行なう。X線撮影では求心性、脱臼度の再確認を行ない、臨床診断も考慮して治療の要否、方法を決める(IIbはほとんど治療しない)。リーメンビューゲル法、オーバーヘッドトラクション法における整復の確認、またギプスや装具装着中の整復位保持の確認は前方法で行なう。超音波機器は外来(外科系として1台)では設置式(撮像条件は各科別にプリセットする)、病棟などでは携帯式の機器で行なっている。保険請求においては、現在まで超音波によるスクリーニング診断、整復位診断、また異常股関節における超音波とX線のダブル診断にて問題となった事はない。