11, ポータブルエコーを用いた腱板断裂肩の住民検診


秋田大整形
皆川洋至、井樋栄二、阿部秀一、山本宣幸、関展寿、菊池一馬
岐阜大整形
福田雅


【目的】一般住民における腱板完全断裂の発生頻度を明らかにすること。【方法】対象は直接検診を行った20歳から94歳までの特定地域住民664名1328肩(男242名、女422名)。肩痛に関する聞き取り調査、ポータブル超音波診断装置(Sonosite180, Sonosite, USA)による腱板断裂評価を行い、年代別の症候性、無症候性腱板断裂の発生頻度を調べた。腱板完全断裂の診断基準は陽性適中率100%の画像所見である腱板の欠損、腱板表面の陥凹とした。【結果】腱板完全断裂の発生頻度は50歳未満0%、50代10.7%、60代15.2%、70代26.5%、80歳以上36.6%で、このうち無症候性腱板完全断裂の頻度は50代50%、60代68%、70代64.6%、80歳以上67.6%であった。【結論】50歳以上の一般住民約1/4に腱板完全断裂が存在する。しかし、その約2/3には自覚症状がない。