12, 超音波検査による肩腱板断裂手術後の棘下筋機能評価

―棘下筋筋力評価は可能か?−

1)大阪府済生会吹田病院整形外科

2)大阪府済生会吹田病院リハビリテーション科

黒川正夫1、平田正純1、陳 宗雅2、入江保雄2、清水啓史2

【目的】超音波で棘下筋断面積を測定し、腱板断裂術後成績に関与する棘下筋機能評価が可能かを検討した。

【対象】腱板断裂の手術67例中、直接検診が可能であった26例を検討した。大・広範囲断裂10例(以下L群)、小・中断裂16例(以下S群)で平均年齢は各々59.3歳と60.3歳であった。

【方法】外旋筋力測定は、CYBEX6000を用い下垂位で角速度は60°、180°、240°/秒の3つを用いた。棘下筋面積の測定は、横河GE社RT4600を用い、プローブは7.5MHzリニア型を使用し、測定部位は肩甲棘の中央で、肩甲骨面に対して垂直になるようにプローブを走査した。外旋筋力の手術側と非手術側、L群とS群の比較および外旋筋力と棘下筋面積の相関性について比較検討した。

【結果】S群とL群を比較すると外旋筋力、棘下筋面積には有意差は認められなかった。L群ではすべての角速度での外旋筋力が棘下筋面積に相関して増加する傾向を示し、特に240°/秒の外旋筋力とは正の相関を認めた。