2, Sciatica を伴ったExertional Rhabdomyolysis の一例


大江整形外科病院

魏 国雄  大江幸政


【はじめに】Sciatica を伴ったExertional Rhabdomyolysisの一例を経験したので報告する。
【症例】  70歳の男性。終日、基礎工事労作業を行った翌朝、40kgの発電機を持ち上げた所、両下肢に激痛・右足部のしびれをきたし、歩行困難となり外来受診。
 《初診時所見》強い右下肢痛、ラ・セーグ徴候等を認め、腰椎椎間板ヘルニアを疑わせる所見であった。
 《経過》 Sciatica の神経症状は3日で消失した。大腿背面の強い腫脹・圧痛を認めた為、超音波検査・MRI検査を行った所、大腿背面筋群の顕著な腫脹像、又、CPK 39650 尿ミオグロビン 9790を認めた為、横紋筋融解症と診断し、生理食塩水2000ml 投与行い、2週後、症状軽快し歩行可能となる。又、超音波にて経過観察を行った。
【考察】 Exertional Rhabdomyolysis において、神経症状を、伴う報告は、少ない。Rhabdomyolysis の診断において、神経症状を呈する場合があることを、念頭に置くことは、診断上重要と考えられる。