8, 皮弁作成に対するカラードプラよる術前穿通枝検索の有用性

奈良県立医科大学 整形外科

小畠康宣、矢島弘嗣、村田景一、前川尚宜、土肥義浩、高倉義典

奈良県立医科大学 中央内視鏡・超音波部

山下奈美子、平井都始子

四肢軟部組織欠損などに対し皮弁移植を施行する際、従来はドプラー聴診器や血管造影をその術前計画に用いてきた。しかしそれぞれ穿通枝の存在はある程度は判明するが、血管の分枝の状態やその経路の同定までは不可能である。それゆえ血管走行の状況により術中に術前計画を変更せざるを得ない状況が散見された。一方で超音波機器の発達により微細な血管の描出が可能となっており、術前の血管エコーが手術計画に有用と考え施行した。腓骨皮弁移植予定の24例をはじめ、広背筋皮弁、足趾移植、腹直筋皮弁などの症例に施行しその穿通枝の状態を調査した。術中所見においてもほぼ術前に描出したとおりの血管走行が見られ、術前のザイン通りの手術が可能であった。利点として筋や脂肪組織を血管と同時に描出可能なため血管走行が緻密にイメージ可能で、複雑な計画であっても術前に正確に可能であった。皮弁手術時には術者自身が術前検査として行うことが非常に重要であると考えられた。