9, 整形外科領域におけるpanoramic viewの有用性

1)奈良県立医科大学 内視鏡・超音波部

2)奈良県立医科大学 整形外科

山下 奈美子、平井 都始子、小畠 康宣、玉井 克弥

超音波検査は手軽で質的診断に加え任意断層像による腫瘍および周囲脈管との位置関係の把握にも有用であるが、広範囲病変では高周波プローブを使用した場合、病変性状は良好に描出されるものの一断面で表示される領域が狭く、全体像を捉えることができず、病変の正確な計測や病変の範囲、周囲組織との関係の描出が困難となる。しかし、最近開発されたパノラマ表示(プローブを横方向に滑らせて走査することにより広範囲の超音波画像をパノラマ像として表示する)を用いることで、広範囲な画像が得られるようになった。各種整形外科領域病変(神経原性腫瘍2例、滑膜嚢胞2例、皮下膿瘍1例、ベーカー嚢胞3例、足底部cavernous hemangioma1例、下肢静脈瘤2例、血栓性静脈炎2例、深部静脈血栓症4例、動脈閉塞症1例、腸恥滑膜嚢胞1例、脂肪腫1例、浮腫3例、転移性骨腫瘍1例)にパノラマ表示を施行したのでその有用性を報告する。