一般演題

 

 

 

先天性股関節脱臼開排位持続牽引時における超音波前方法の有用性

 

信濃医療福祉センター 整形外科

渡邉 泰央  朝貝 芳美  高 明秀

 

 

難治性先天性股関節脱臼Graf分類Type4例に対しover head tractionの最終段階の工夫として開排牽引を行い、開排牽引時の整復位の評価として股関節超音波前方法が有用であったので報告する。

方法:水平牽引を実施し、大腿骨頭の引き下がり状態の経過を超音波前額面断層像で

確認、最終的に単純X線にて確認後over head traction最終段階で牽引しながら徐々に開排し、開排時に超音波前方法検査で大腿骨頭と臼蓋の位置を確認し、重錘を減量した。開排位を保持し2~3週間後、下肢の自動運動が活発になり股関節外転内旋位X線で股関節の安定性を確認して開排ギプス(RB)を1ヵ月、RB2~3ヵ月施行、以後必要な例では60度開排装具を装着した。

結果:難治性先天股脱4例に対してover head tractionの最終段階を工夫した開排位持続牽引を実施し、全例自然整復が得られた。開排牽引時の股関節の評価において超音波前方法は整復位の確認、介在物の経過観察に有用であった。