主題 上肢の超音波診断

 

 

橈骨遠位端骨折に対するエコーガイド下整復法 

 

滋賀医科大学 整形外科

児玉 成人  今井 晋二  松末 吉隆

 

 

【目的】転位のある橈骨遠位端骨折に対しては一般的に、まず透視下に徒手整復を行うことが多い。今回我々は転位のある橈骨遠位端骨折に対し,透視を使用せず、エコーガイド下に整復を試みたので、その結果について報告する。

【対象】2003年4月から2004年5月に橈骨遠位端骨折にて当科を受診した10例10関節である。

【方法】まず単純X線2方向撮影後、エコーにて橈骨骨折部を背側、掌側、橈側より描出する。次いでchinese finger-trapによる牽引、および徒手的操作を加え、骨折部を整復し、その後外固定を行う。外固定後X線撮影を行う。(結果)整復前、整復後とも、X線とエコーによる転位距離に有意差はなく、X線と同様の描出が可能であった。

【考察、結論】エコーガイド下整復法は、従来の透視下整復法と同様にリアルタイムに骨折部の評価および整復の評価が可能で、被爆も回避でき、有用であると考えられる。