一般演題

 

 

血管柄付き腓骨移植・腓骨皮弁に対する

カラードプラよる術前穿通枝検索の有用性

 

奈良県立医科大学 整形外科

小畠 康宣  矢島 弘嗣  重松 浩司  前川 尚宜  高倉 義典

奈良県立医科大学 中央内視鏡・超音波部

山下 奈美子  平井 都始子

 

四肢骨軟部組織欠損などに対し血管柄付き腓骨、腓骨皮弁を施行する際、その術前計画に血管造影や、ドプラー聴診器を用いてきた。しかし血管造影にては腓骨動脈穿通枝の状態は判別困難で、ドプラー聴診器は簡便であるが、血管の分枝の状態やその経路の同定までは不可能である。それゆえ血管の状態により術中に術前計画を変更せざるを得ない状況が散見された。一方で超音波機器の発達により微細な血管の描出が可能となり、術前の血管のmappingを行うことで手術計画に有用ではないかと考えた。血管柄付き腓骨移植・腓骨皮弁移植を予定した10例(男性7例・女性3例)に対し術前カラードプラーを施行し腓骨動脈およびその穿通枝の状態を調査した。術中所見においてもほぼ術前に描出したとおりの血管の走行が見られ、術前のデザイン通りに手術が施行可能であった。また両側下肢が使用可能であった2例においては、術前にどちらを使用するかの判断材料となった。また血管の分枝形態、血管径、流速、動脈硬化の程度など、多岐にわたる情報が得られるため、より詳細な術前planningが可能となり確実性の高い手術に貢献するものと考えられた。