一般演題

 

 

頚椎前方除圧術における術中超音波所見と手術成績の関連性

Relationship between intraoperative ultrasound evaluation and operative outcome in anterior cervical decompression surgery
          

 

横浜南共済病院 整形外科

三原 久範  近藤 総一  竹口 英文 

河野 心範  蜂谷 将史  山田 勝久

 

 

圧迫性頚髄症に対する頚椎前方除去固定術においては、術中の十分な除圧が症状改善の鍵となる。

2001年以降当院にて頚椎前方除圧術を施行し、術中超音波所見が得られた81例について脊髄除圧状態を動的に評価し、脊髄前方くも膜下腔の開存様式によりType IからType IVの4型に分類した。また、術前後のCTMを用いて最圧迫部位における脊髄断面積や脊髄前方のくも膜下腔断面積等を計測した。

その結果、CTMから計測した脊髄断面積や前方くも膜下腔およびその拡大率は神経症状の改善と相関しなかったのに対し、術中超音波所見で脊髄前方にくも膜下腔が確認できた群(Type I とType II)のJOAスコア改善率は平均73.4%で、その他の平均改善率29.8%よりも有意に高かった。

術中の脊髄および脊髄周囲の動的な除圧状態の把握は、手術成績の改善につながると考えられ、その評価が可能な超音波検査は非常に有用な方法と考える。